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池袋のロサの近くにある洋食屋に行く。そこにはテレビはなくていつもラジオがかかっている。番組の合間に挟まれる育毛剤の宣伝。

それはとっても効果のある薬みたいで、女の人が効能を褒め称えている。マウスで行なった実験では、通常のマウスのなんと五倍の速さで毛が生えたそうだ。

私は毛を毟られたマウスを想像する、つるつるした桃色の肉、そこに液体が塗られるのと塗られないの。

男の子に「これはマウスの毛を毟ったのかな？」と訊く。「剃ったんじゃない？」と彼は答える。剃った毛が五倍早く生えたのでは意味がないよ、美容院に行く頻度が増えるだけじゃん、とわたしは答える。

「でも、マウスの毛が毟られていないといいな、想像したら、食欲がなくなるよ」って言いながら、でもわたしはやっぱり想像しちゃって、豚肉の辛子焼きをダラダラと食べました。